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3.半導体素子

   3-1.半導体素子とは
 電気の種類、モータの種類と話してきたのにいきなりなんだか難しい話へととんでしまった。勘弁を。しかしここは電気制御を話す上ではとばすわけにはいかない項目である。では始めるとしよう。半導体素子とは何であろうか。実のところ物には電気の流れやすさによって導体、絶縁体、半導体の3つに分類される(電気の流れにくいものを抵抗といい、その流れやすさのことを抵抗率という)。導体とは電気を伝えるのに適した物質(銀、銅、金、鉄)のことで、電線などに使われている。絶縁体とは逆に電気を通しにくい物質(ゴム、雲母、ガラス)で、電線の接続部についているがいしに使用されている。では肝心の半導体(ゲルマニウム、シリコン)はというとその中間にあたる。中間とはいうが、厳密に半導体とは外部からの電流、温度、光、力により低効率が変化する性質をもつ物質を指す。それらの性質を利用して半導体は形成されている。それこそパソコンに使われている半導体は複雑極まりないものであるが、電車の制御に使用されている半導体は主にダイオードサイリスタトランジスタの三種類だ。ではそれらがどのようなものか、順に説明していこう。

ダイオードの回路図
図3.3-1.ダイオードの回路図

   3-2.ダイオード
 まずはダイオードからだ。皆さんは発光ダイオードというものは聞いたことがないだろうか。電光表示板などに多く利用されているが、あれは電球ではなく、半導体を利用して発光している。ダイオードとは一般的には、電気の流れを一方にしか流さない作用をもっている。それに光る特性を付け加えたのが発光ダイオードということだ。図3.3-1にその回路図を示す。ダイオードにはそれぞれに端子がついており、プラス側をアノード(A)、マイナス側をカソード(K)と呼んでいる。

   3-3.サイリスタ
 さて、続いてはサイリスタの説明に入ろう。その回路図は図3.3-2に示す。サイリスタはダイオードと似たような特性をもっている。というのは同様にアノード(A)カソード(K)を持ち、基本的には一方向にしか電流は流れない。しかしダイオードと異なるのはそのままでは電流は流れない。サイリスタにはこれらとは別にもうひとつ、ゲート(G)という電極を持っており、ここに一度電圧をかけないとアノードとカソードの間に電流は流れない。だが、一度電流が流れたならばゲート電圧をかけなくてもそのまま流れつづける。その電流をとめるにはA-K間に逆向きに電圧をかけてやれば止まる。このようにサイリスタはスイッチの役目も持っているが、半導体を用いたスイッチを無接点スイッチと呼んでいる。、鉄道で使用されている高い電圧(1000から2000V)にも耐えられる特性がある。電車の制御では、このタイプのサイリスタに加え、A-K間に逆向きの電圧をかけなくても、ゲートへの電気信号で自由にオンオフできるGTOサイリスタを用いているものもある。

GTOサイリスタ IGBT
図3.3-2.GTOサイリスタ図3.3-3.IGBT
   3-4.トランジスタ
 この名前を聞いたことがある人はかなりいることだろう。「トランジスタラジオ」と呼ばれるシロモノに使用されているものだ。トランジスタには先ほど述べたサイリスタと同様にスイッチの機能と、増幅という二種類の機能を持っている。その回路図を図3.3-3に示すが、トランジスタはサイリスタ同様三つの極を持っている。但し、それぞれはエミッタ(Emitter)コレクタ(Collector)ベース(Bace)と呼ばれている。トランジスタの場合、オン、オフの制御はベースに電流を流したりきったりすることによって可能となります。では増幅は?。これは弱い電気信号をベースに流すとそのままスイッチとして機能するので別電源の電流がそれと同じように流れ、増幅しています。但し、電車の制御では電流のオン、オフ制御がメインです。問題はかつてのトランジスタは高い電圧に耐えることができなかったので電車の制御には到底使えませんでした。しかし、今はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transister、絶縁ゲート型両極性トランジスタ)という高い電圧にも耐えられるトランジスタが開発され使用されています。

 電気車の制御に必要な予備知識はこんなものだろうか。ここで書いた内容は中学生あるいは高校で学ぶような内容が非常にたくさんある。できる限りわかりやすく書いたつもりではあるが、この内容を全て覚えておくのは難しいところがあるかもしれない。とりあえずイメージとしてそれぞれのものはこんな感じだと思っていただければありがたく思う。というわけで続いて電気車の制御方式本編へと突入していこう。

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